2024.07.28

大日本印刷、自治体に「メタバース役所」を提供開始

MVW

大日本印刷、自治体に「メタバース役所」を提供開始

概要

大日本印刷株式会社（DNP）は、2024年7月24日より自治体向けに「メタバース役所」の提供を開始しました。このサービスにより、住民はインターネット上の仮想空間で電子申請や各種相談が可能となります。DNPはこれを通じて行政システムのデジタルトランスフォーメーション（DX）を推進します。

メタバース役所の背景と目的

日本国内では、少子高齢化や人口集中により、公共サービスの維持が困難になる懸念があります。DNPは、この課題に対処するためにデジタル技術を活用し、サービスの最適化と効率化を図っています。

実証実験と展開

DNPは2024年2月に三重県桑名市と「メタバース役所」の実証実験を実施しました。この実験では、電子申請手続きの総合窓口や各種相談業務、市民交流の場を仮想空間上で提供しました。さらに、同年6月には東京都江戸川区でも「メタバース役所」の提供を開始しました。これらの経験を基に、DNPは「メタバース役所」をより広範囲の自治体に提供することを目指します。

利用モデル

DNPの「メタバース役所」には複数の利用モデルが存在します。

共同利用モデル: 参加する自治体に共通の空間とサービスを提供。初期費用は100万円、月額62.5万円。
個別利用モデル: 共同利用モデルの機能に加え、自治体ごとにカスタマイズしたサービスや空間を提供。価格は都度見積もり。

特に「共同利用モデル」では、複数自治体が共通のプラットフォームを利用することで、問い合わせ対応業務の標準化や運用負荷の削減、自治体間の相互連携が期待されています。

目標と今後の展開

DNPは2028年度までに、「メタバース役所」の運用と関連サービスによる売上10億円を目指しています。今後も利用者のニーズに応じた機能の改善と強化を進め、自治体のDXを推進していく計画です。

まとめ

大日本印刷の「メタバース役所」は、少子高齢化や人口集中に伴う公共サービス維持の課題に対処するため、仮想空間での電子申請や相談受付を可能にする革新的な取り組みです。共同利用モデルと個別利用モデルを提供し、自治体の運用効率を高めることを目指しています。これにより、DNPは自治体のデジタルトランスフォーメーションを強力に支援します。