白川郷と五箇山の世界遺産をデジタルで体験:メタバース技術の活用
白川郷と五箇山の世界遺産をデジタルで体験:メタバース技術の活用
はじめに
1995年にユネスコの世界文化遺産に登録された「白川郷・五箇山の合掌造り集落」は、年間200万人以上の観光客が訪れる人気の観光地です。しかし、その観光地としての価値を最大限に活用するためのコンテンツ整備が課題となっていました。また、この遺産は岐阜県白川村と富山県南砺市に跨って存在しており、両自治体が協力してその価値を効果的に伝えることが難しいという実情もありました。
デジタルヘリテージセンターの設立
こうした課題に対応するため、岐阜県白川村と富山県南砺市は協力して、「白川郷・五箇山の合掌造り集落 世界遺産センター」(以下、デジタルヘリテージセンター)というWebサイトを開設しました。このデジタルヘリテージセンターでは、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)の技術提供を受け、株式会社NTTドコモが企画開発し、株式会社Relicが運営するメタコミュニケーション「MetaMe(メタミー)」をメタバースコンテンツとして採用しています。
デジタルヘリテージセンターの内容
このWebサイトでは、白川郷・五箇山の歴史的背景から、合掌造りの産業的な背景、建築構造、地域特有の合掌造り家屋の違いなど、詳細なガイダンスが提供されています。NTT ComおよびNTTドコモの技術協力により、メタバースコンテンツ「白川郷・五箇山ワールド」が構築され、利用者は仮想空間内で合掌造り集落を散策・体験することができます。この仮想空間では、ガイドや村民との交流が可能であり、将来的には多言語対応やイベントの実施も計画されています。
メタバースの導入による効果
「白川郷・五箇山ワールド」の導入により、訪問者は物理的な制約を超えて世界遺産を体験できるようになります。これにより、実際に訪れることが難しい人々にも、白川郷・五箇山の魅力を伝えることが可能になります。また、仮想空間内での交流や体験を通じて、訪問者同士のコミュニケーションが促進され、観光地としての価値がさらに高まることが期待されています。
まとめ
白川郷・五箇山の合掌造り集落は、伝統的な建築技術と文化を今に伝える貴重な遺産です。デジタルヘリテージセンターとメタバース「白川郷・五箇山ワールド」の設立により、これまで以上に多くの人々がその価値を体験し、理解する機会が増えることが期待されています。この取り組みは、観光地の魅力を高めるだけでなく、地域の文化財保護にも寄与するものです。デジタル技術の活用により、白川郷・五箇山の合掌造り集落は新たな形で未来へと伝えられていくでしょう。
参照元
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