日本円ステーブルコイン「JPYC」、累計発行額30億円を突破
日本円ステーブルコイン「JPYC」、累計発行額30億円を突破
JPYCの成長と背景
JPYC株式会社が提供するJPYC(JPY Coin)は、1JPYC=1円として取引される日本円連動のステーブルコインで、2024年11月時点で累計発行額が30億円を超えました。JPYCは、Ethereum、Polygon、Avalancheなど複数のブロックチェーン上で利用可能であり、ブロックチェーン技術を活用したデジタル金融ソリューションとして注目されています。2021年1月の発行以来、日本国内外でJPYCの利用は拡大を続けています。
JPYCは現在、プリペイド型のステーブルコインとして提供されていますが、今後は「資金移動業型」や「信託型」のステーブルコインとしても発行される予定です。この新たなモデルにより、JPYCの発行額と流動性が向上し、企業間決済や大規模なトランザクションに適した形での利用が期待されています。JPYC株式会社は、将来的にはJPYCの発行・流通を通じてデジタル取引コストの削減や取引効率の向上を図り、日本およびグローバル市場におけるユースケースの拡大を目指しています。
JPYCのユースケースと社会への貢献
JPYCはさまざまな分野でのユースケースを実現しており、既に地方自治体のアイデア募集プラットフォームでの報酬や、建設業界の福利厚生システムの一部として活用されています。JPYCの導入により、従来の決済システムと比べて、手数料の削減や処理の高速化が可能になることから、多くの企業や自治体がJPYCの導入を検討しています。
さらに、2024年11月20日から幕張メッセで開催される「ブロックチェーンEXPO【秋】」にJPYCはブースを出展し、ステーブルコインに対する一般理解の向上を図っています。JPYCブースでは、初心者でも理解しやすい漫画形式のチラシを配布し、JPYCと従来の決済手段の違いや実際の利用事例について説明が行われます。これにより、幅広い層への理解促進が図られるだけでなく、ブロックチェーンやステーブルコインに対する関心を高める狙いがあります。
ブロックチェーン基盤とJPYCの拡張計画
JPYCは、複数のブロックチェーン上で利用可能であり、そのエコシステムの拡大も視野に入れています。JPYC株式会社は、2023年11月に三菱UFJ信託銀行およびProgmatと提携し、Progmat Coin基盤を用いた「信託型JPYC」の発行を計画しています。これにより、ユーザーがより信頼性の高い環境でJPYCを活用できるようになると期待されています。
加えて、JPYCは資金決済法の改正に対応するため、資金移動業および電子決済手段のライセンス取得も視野に入れています。このライセンス取得により、JPYCは従来の金融機関と同様の基盤の下でデジタル通貨として利用できるようになり、さらに広範なユースケースの実現が可能になるでしょう。また、将来的には国内外の他のステーブルコインとの交換サービスも提供予定で、ユーザーがさまざまなデジタル資産を自由に取引できるプラットフォーム構築が目指されています。
JPYCの特性と利用のメリット
JPYCは、日本円に連動したステーブルコインとして価格の安定性があり、特にマイクロペイメントや企業間決済での利用に適しています。また、JPYCの利用により手数料の低減が期待できるため、取引コストの削減を図りたい企業にとって有利な選択肢となります。さらに、JPYC株式会社はサービス開発者向けにJPYC SDKを無償提供しており、JPYCを活用したエコシステムの拡大も進行中です。このSDKは開発者にとって使いやすく、JPYCを用いた新しいデジタルサービスの創出が促進されています。
JPYCの取引は、ブロックチェーン技術を基盤とするため透明性が確保されており、取引履歴の追跡も容易です。このため、従来の金融システムでは困難であった小口の送金や特定用途での決済の効率化が可能となり、金融サービスの多様化が期待されています。
まとめ
JPYC株式会社が提供する日本円連動ステーブルコイン「JPYC」は、発行から約3年で累計発行額30億円を達成し、日本国内のステーブルコイン市場で重要な役割を果たしています。JPYCは、既存の決済インフラに比べてコスト効率が高く、特にマイクロペイメントや企業間決済などの分野での普及が進んでいます。JPYC株式会社は今後も新しいユースケースを探求し、地方自治体や建設業界など多様な分野での活用を推進していく方針です。
また、JPYCは2023年11月にProgmatとの提携により信託型JPYCの発行を予定しており、さらに幅広い分野での利用が可能になると期待されています。幕張メッセで開催される「ブロックチェーンEXPO【秋】」でもその魅力を紹介し、一般層への理解促進と利用拡大を目指しています。
JPYCの透明性、コスト効率の良さ、そして日本円に基づく安定性は、今後のデジタル金融市場で大きな強みとなり得ます。JPYC株式会社は、今後もステーブルコインの普及と利用促進を目指し、国内外のユーザーに新しい金融ソリューションを提供し続けることでしょう。