2024.05.24

AI・Web3.0時代を見据えた暗号資産「ワールドコイン」の将来性は？

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AI・Web3.0時代を見据えた暗号資産「ワールドコイン」の将来性は？

ワールドコインとは何か

ワールドコイン（Worldcoin）は、生体認識技術を活用して暗号資産版ユニバーサル・ベーシックインカム（UBI）を実現しようとする革新的な大型プロジェクトです。このプロジェクトは、全ての人々がアクセスでき、恩恵を受けられる世界最大の金融ネットワークを構築することを目指しています。

プロジェクトの背景

ワールドコインは、OpenAIの共同設立者サム・アルトマン氏が2019年に設立したツールズ・フォー・ヒューマニティ（Tools For Humanity）によって進められています。2023年にワールドコインのベータ版がローンチされました。このプロジェクトの主な技術と特徴を見てみましょう。

ワールドID

ワールドコインの主要コンポーネントの一つであるワールドIDは、AI化によるなりすまし詐欺などの犯罪を防止することを目的としています。ワールドIDは「オーブ（Orb）」と呼ばれる虹彩スキャンで本人確認を行う分散型IDであり、身分偽造リスクの低減が期待されています。この技術は、パスポートや個人情報が不要なため、個人情報の漏洩防止にも役立ちます。

ワールドコインの機能

ワールドコインは、特に低所得国の人々に経済的な支援を提供することを目指しています。ワールドIDを取得したユーザーには無料でワールドコインが配布され、これを取引所での売買や暗号資産関連サービス、店舗決済に利用できる仕組みです。

成長と普及

ワールドコインはすでに大きな支持を得ています。2024年5月5日時点で、ワールドID取得者は世界120ヵ国で519万人、アプリユーザーは584万人を超え、ワールドコインの時価総額は160億ドル（約2兆4,880億円）を上回りました。また、2023年5月までに3回の資金調達ラウンドで総額2億4,000万ドルを調達しています。

ワールドコインの将来性と課題

ワールドコインの将来性については、一部でポジティブな見方が広がる一方で、いくつかの課題も存在します。最も議論されているのは、ワールドコインが大量の個人データを収集・管理していることに対するプライバシーおよびデータ保護への懸念です。ワールドコイン側は「各国のデータ収集・保護規制および法律に100％準拠するよう設計されている」と主張していますが、スペイン、ポルトガル、フランス、ドイツ、ケニア、香港などの規制当局が捜査を進めています。また、ワールドIDの不正売買・盗難といったセキュリティー面での問題も報告されています。

まとめ

ワールドコインは、AI・Web3.0時代をけん引する暗号資産としてのポテンシャルを秘めています。将来的に幅広いサービスで普及すれば、日常使いできるデジタルID・通貨としての価値が高まるかもしれません。しかし、法規制やデータ保護、セキュリティー面での課題を克服することが不可欠です。今後もワールドコインの動向に注目し、その成長と課題解決の進展を見守る必要があります。