経済的に困難な家庭の子どもたちへの支援：カタリバの取り組み

調査結果の概要

認定特定非営利活動法人カタリバは、経済的に困難な家庭に対する支援を行う「キッカケプログラム」を通じて、夏休みのお出かけに関する調査を実施しました。397世帯を対象にした調査の結果、経済的に困難な家庭の多くが物価上昇の影響でお出かけ機会が減少していることが明らかになりました。

主要な調査結果

お出かけ予定の有無

経済的に困難な家庭の68.7%が夏休みにお出かけの予定がないと回答しました。一方、一般家庭では56.4%が同様の回答をしています。この結果から、経済的に困難な家庭ほど夏休みの外出が難しいことが分かります。

物価上昇の影響

経済的に困難な家庭の65%が物価上昇によりお出かけの機会が減ったと回答しました。対して、一般家庭では23.6%が同様の影響を受けていることがわかりました。物価上昇が家計に与える影響が、経済的に困難な家庭においてより深刻であることが示されています。

旅行・観光の予定

経済的に困難な家庭では、夏休みに旅行や観光の予定があると回答したのはわずか1割程度でした。これに対し、一般家庭では3割強が旅行や観光の予定があると回答しており、経済的な余裕の違いが浮き彫りとなっています。

子どもに関する不安

経済的に困難な家庭の8割が、夏休みの子どもに関する不安を抱えていると回答しました。一般家庭では43.6%が同様の不安を抱えており、経済的困難が子どもたちに与える影響が顕著です。

調査の具体的な声

調査結果には、以下のような具体的な声が含まれていました。お金がないため旅行に行けないが、家にいるとエアコンや食費などの出費が増えるという声や、給食がないため栄養のある食事を満足に取らせてあげられないという声が上がっています。物価と光熱費の高騰が家計を直撃し、余暇にお金をかけることが難しいという現状も明らかになりました。

キッカケプログラムの取り組み

カタリバは、経済的に困難な家庭の子どもたちを支援するために「キッカケプログラム」を運営しています。このプログラムでは、パソコンやWi-Fiを無償貸与し、メタバースを活用したオンライン教材や定期的な面談を通じて、子どもたちの学習支援を行っています。

特別イベントの実施

調査結果を受けて、カタリバは今年の夏休みに以下の特別イベントを実施します。

交流プログラム

8月5日、外資系金融企業の社員とキッカケプログラムに参加する子どもたちが交流するプログラムを実施します。社員の業務内容やこれまでの経験を共有し、子どもたちが普段出会えないような大人との出会いを提供します。

プログラミング教室

8月19日、民間企業のIT部門の社員がマンツーマンでプログラミングを教える教室を開催します。外国籍のスタッフも多く参加し、子どもたちが新たな知識を得る機会を提供します。

調査の背景と目的

この調査は、経済的に困難な家庭の子どもたちが直面する現実を明らかにし、必要な支援を提供するために実施されました。調査結果は、カタリバが運営する「キッカケプログラム」の重要性と効果を裏付けるものであり、今後も引き続き支援を拡大していく予定です。

結論

経済的に困難な家庭の子どもたちは、物価上昇や生活費の増加による影響で、夏休みの外出や体験機会が制限されています。カタリバの「キッカケプログラム」は、こうした家庭の子どもたちに学びと成長の機会を提供するために重要な役割を果たしており、今後も多くの支援が必要とされています。

参照元

• 経済的に困難な家庭の約7割「物価上昇により夏休みのお出かけ機会が減った」

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