VR研究倫理学会 年次大会2024:進化するAIとVRの倫理的課題を探る
VR研究倫理学会 年次大会2024:進化するAIとVRの倫理的課題を探る
急速に進化するVR技術とAI(人工知能)は、私たちの生活を大きく変えつつありますが、それと同時に倫理的な課題も浮上しています。2024年10月12日、「VR研究倫理学会 年次大会2024」がオンラインで開催され、VRとAIに関する法的・倫理的な問題について、医療、法学、工学の各分野の専門家が集まり議論を行います。この大会は、技術の進化とそれに伴う社会的影響について深く考察し、具体的な事例を通じて課題や解決策を模索する重要な機会となります。
大会の概要
「VR研究倫理学会 年次大会2024」は、一般財団法人VR研究倫理学会(代表理事:横松繁)によって開催され、様々な分野の専門家が参加します。特に、VRとAI技術がもたらす未来とその倫理的な影響について、多角的な視点から議論される予定です。研究者や企業関係者、法曹界、自治体職員など、幅広い分野の人々がこの大会に参加し、技術革新と倫理問題の解決に向けたアイデアを共有します。
- 日時:2024年10月12日(土)11:00~15:00
- 形式:オンライン(Zoomウェビナー)
- 参加費:VR研究倫理学会の会員は無料、非会員は5,000円、後援学会会員は2,000円
- 定員:500名
この大会は、VR技術やAI技術に興味を持つ研究者や開発者、倫理問題に関心のある方にとって、必見の内容となっています。
基調講演とプログラム
大会の冒頭では、「VRとAIの共進化:倫理的イノベーションの時代へ」というテーマで基調講演が行われます。大阪大学教授であり、VR研究倫理学会副会長の栄藤稔氏が登壇し、急速に進化する技術と倫理問題にどのように向き合うべきかについて講演します。
その後、以下のようなテーマで各専門家による講演が行われます。
研究倫理の基本とVR・ARを用いた研究実例
松山琴音氏(日本医科大学研究統括センター副センター長)は、VRやAR(拡張現実)技術を使用した研究の実例を紹介し、技術の適用に伴う倫理的な配慮について議論します。
VRと倫理問題の今後
東京大学名誉教授の廣瀬通孝氏は、VR技術が引き起こす倫理問題について講演し、その未来展望を語ります。
AIと倫理問題の今後
栗原聡氏(慶應義塾大学理工学部教授)は、AI技術が抱える倫理的課題と、それにどのように対応すべきかについて講演を行います。
アバターへのなりすましと誹謗中傷
澤田雄介氏(法律事務所ZeLo・外国法共同事業)は、アバターを使ったなりすましやオンラインでの誹謗中傷の問題について、その法的側面から解説します。
パネルディスカッション
基調講演と個別講演に続いて行われるのが、パネルディスカッションです。このセッションでは、VRやAI技術の現状や未来、倫理的な課題について、専門家が意見を交わします。
パネルディスカッションの登壇者
- 瀬戸山晃一氏(VR研究倫理学会会長、京都府立医科大学教授)
- 松山琴音氏(日本医科大学研究統括センター副センター長)
- 廣瀬通孝氏(東京大学名誉教授)
- 竹村治雄氏(大阪大学特任教授)
- 栗原聡氏(慶應義塾大学教授)
このディスカッションでは、各分野の専門家が、VRやAIがもたらす倫理的な課題にどう対処すべきか、現実的なアプローチを議論します。
具体的な研究発表
大会では、参加者がAIやVR技術の実際の応用例と、それに伴う倫理的な課題を学ぶことができるセッションも設けられています。例えば、以下の発表が予定されています。
- AIファシリテータの効果検証と倫理的課題
大阪工業大学の佐野睦夫氏が、AIを使ってチームエンゲージメントを向上させる研究と、それに伴う倫理的な課題について発表します。 - ナッジのヘルスケアへの応用
岡山商科大学の村岡潔氏が、AIやVRを用いたヘルスケアの取り組みと、ナッジ理論(選択を促す仕組み)の応用について講演します。
まとめ
今回の「VR研究倫理学会 年次大会2024」は、VRやAI技術が急速に発展する中で、これらの技術がもたらす倫理的な問題にどのように向き合うかを深く考察する場です。プライバシーの侵害、ディープフェイクの拡散、AIによる差別やアバターのなりすましなど、現実に直面する問題に対し、多角的な視点での解決策を模索します。
この大会は、VRやAIに関連する技術の研究者だけでなく、企業の技術者、法律家、そしてこれからの技術進化に興味を持つ自治体職員などにも重要な学びの場となるでしょう。技術革新と倫理問題を同時に考慮する姿勢が、今後の技術開発において重要な鍵となります。
参照元
【進化するAIがもたらすVRとは?】10月12日にVR研究倫理学会 年次大会2024 開催