ブロックチェーンゲーム部会が設立:業界の課題解決と発展を目指す
ブロックチェーンゲーム部会が設立:業界の課題解決と発展を目指す
ブロックチェーンゲーム部会の設立背景
一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は、ゲーム産業とブロックチェーン技術の融合を推進するために「ブロックチェーンゲーム部会」を新たに発足しました。部会は、日本を代表する大手ゲーム企業や暗号資産関連企業、さらに法律事務所などが参加し、業界全体の課題整理と解決に向けた提言活動を行います。
ゲーム産業の発展は、アーケード、家庭用ゲーム、オンラインゲーム、スマホゲームへと進化し続けてきました。現在は、ブロックチェーン技術を用いた暗号資産やNFTの活用による新しいゲーム形態「ブロックチェーンゲーム」が登場しています。しかし、法律・税務・セキュリティなどクリアすべき課題が多く、クリエイターが開発に集中しづらい環境にあります。この部会では、こうした課題を解消し、健全な市場発展とクリエイター支援を目指します。
部会の活動目的と役割
1. 課題の整理と提言
ブロックチェーンゲーム産業が直面する問題を整理し、具体的な解決策を提言します。特に法律や税務、会計などの問題に対して業界全体で議論し、ガイドラインを提供します。
2. クリエイター支援の環境整備
クリエイターがユーザー体験向上やクリエイティブな開発に専念できるような環境を整えます。ブロックチェーン技術やNFTの活用を、健全な形で普及させることが目標です。
3. 新たなビジネスモデルの確立
部会は、新しいエンターテインメントの形としてブロックチェーンゲームの魅力を発掘し、ビジネスモデルの方向性を示す役割も担います。
設立メンバーと運営体制
部会は、以下の主要メンバーで運営されます。大手企業から法律、会計の専門家までが参加し、幅広い視点での課題解決を目指します。
- 部会長:井坂友之氏(コインチェック株式会社 取締役社長執行役員)
- 副部会長:畑圭輔氏(株式会社スクウェア・エニックス インキュベーションセンター ディレクター)
- 幹事:金友健氏(株式会社コナミデジタルエンタテインメント web3事業部 部長)
- 顧問:長瀨威志氏(アンダーソン・毛利・友常法律事務所 弁護士)
他にも複数の業界リーダーや専門家が幹事・顧問として関与します。
今後の活動予定
部会では、ブロックチェーンゲームに関する以下の議論を行い、提言を取りまとめます。
- 日本のブロックチェーンゲームの現状 上場企業が手がけるブロックチェーンゲームの事例や実態調査を進めます。
- ビジネスモデルの検討 暗号資産やNFTを活用した新しいゲームビジネスモデルを提案します。
- 法律と税務の課題解決
- ゲーム内NFTの法律的な解釈
- 暗号資産の法人税制や会計処理の課題
- マーケティング手法の進化 従来のゲーム産業とは異なるマーケティング戦略やUI/UXの改善方法を検討します。
- 具体事例の共有
- 株式会社コロプラや株式会社ドリコムの取り組みを例に、実践的な課題解決策を共有します。
参加方法とJCBAの概要
ブロックチェーンゲーム部会への参加はJCBAの会員企業に限定されます。会員になることで、部会を通じて業界全体の成長に貢献しながら、専門的な知識や事例を共有することができます。
JCBA(日本暗号資産ビジネス協会)の概要
- 設立:2016年3月
- 代表者:廣末紀之(会長)
- 活動内容:暗号資産やWeb3関連ビジネスに関する知見共有、課題解決、業界発展支援
- 正会員:34社、準会員:102社、計155社(2024年時点)
JCBAは13の分科会を運営し、税制やNFT、DeFi、Web3のルール策定に取り組んでいます。
まとめ
ブロックチェーンゲーム部会の発足は、ゲーム産業における新たな技術革新と課題解決を目指す重要な一歩です。部会では、法務・税務の専門家や業界リーダーが協力し、クリエイターが安心してブロックチェーンゲームを開発できる環境を整備します。
この取り組みを通じて、ブロックチェーンゲームが単なる技術の活用にとどまらず、エンターテインメント産業の新たな形として社会に浸透していくことが期待されます。日本発のブロックチェーンゲームが世界に羽ばたく未来に向けて、今後の部会活動に注目が集まります。