2024.05.12

「Tusima」革新される次世代決済インフラとその産業への影響

MVW

「Tusima」で革新される次世代決済インフラ

株式会社ネットスターズが開発した「Tusima」は、次世代決済インフラとして、Web3.0技術を駆使して金融業界に新たな風を吹き込んでいます。このプラットフォームは、Web2.0の限界を超え、高度なセキュリティと効率性を兼ね備えた決済システムを実現しており、POC実証実験に成功したことで、その可能性がさらに拡大しています。

「Tusima」の開発背景

金融業界では、常に安全かつ迅速な決済手段の需要が高まっています。ネットスターズはこの需要に応えるべく、「Tusima」を開発し、既存の決済システムと比べて、次のような革新的な特徴を持ちます。

新たな技術の導入

Web3.0の活用: 「Tusima」はブロックチェーン技術を核とし、分散型のデータ管理を可能にしています。これにより、従来の中央集権的なシステムのリスクを軽減し、データの改ざんが困難な環境を提供します。
高性能トランザクション処理: 最高TPS（Transactions Per Second）12,000を実現し、大量の取引を瞬時に処理できる能力を持っています。これは、特に大規模な商取引が頻繁に行われる現代のビジネス環境において重要です。
TEE（Trusted Execution Environment）技術の利用: この技術により、取引データのプライバシーが保護され、セキュアな取引が可能になります。

実証実験の成果と影響

「Tusima」のPOC実証実験では、以下の成果が確認されました。

実証実験の具体的成果

データ改ざん防止: 全ての決済データは分散化され、リアルタイムでの照合が可能です。これにより、イレギュラーケースでのアラート発出が行え、データ復旧の迅速化が実現しました。
長期間にわたる安定性の実証: 半年間に渡り、2.19億件のデータを処理し、負荷テストやハッキングテストを含む複数の試験を実施しても、システムの安定性を維持しました。

産業への影響

この技術が金融業界にもたらす影響は計り知れません。特に、リアルタイムでの大規模データ処理能力と改ざん防止機能は、オンライン決済が日常化している現在、非常に価値があります。さらに、TEE技術の導入によるデータプライバシーの強化は、消費者信頼の向上に直結します。

TEE（Trusted Execution Environment）技術とは？

TEE（Trusted Execution Environment）技術は、デバイス内に安全な実行環境を提供する技術で、ソフトウェアやデータを保護するために設計されています。この技術は、特にセキュリティが重要なアプリケーションやデータの処理に用いられます。以下はTEE技術の主要な特徴と用途です：

TEEの主要な特徴

物理的に分離された環境: TEEはデバイスのメインオペレーティングシステム（OS）とは隔離された専用のプロセッサやメモリ領域を使用します。これにより、メインOSに影響を受けずに、セキュアな環境でコードやデータを実行・保管できます。
高いセキュリティ: TEEはハードウェアベースのセキュリティ機能を提供し、外部からの攻撃やソフトウェアの脆弱性からデータを保護します。これには、暗号化、認証、完全性保護などが含まれます。
セキュアな実行: TEE内で実行されるアプリケーションは、メインOSとは独立しており、外部からの干渉や不正アクセスから守られています。これにより、敏感な処理やデータが安全に扱われます。

TEEの用途

モバイル決済: スマートフォンでのモバイル決済アプリは、TEEを使用してクレジットカード情報やトランザクションデータを保護します。
DRM（デジタル著作権管理）: 映画や音楽などのデジタルコンテンツの著作権保護にTEEが利用されます。TEEは不正コピーを防ぎながら、ユーザーに正規の視聴や使用を許可します。
個人データの保護: 個人識別情報（PII）や健康情報など、個人データの安全な処理と保管にTEEが使用されます。

TEE技術は、これらの用途において、デバイスのセキュリティを強化し、ユーザーの信頼性を高めることに寄与しています。このように、TEEは現代のデジタル化された世界で重要なセキュリティ機能を提供する技術です。