ブロックチェーンの不動産登記、日本でも協会設立へ
ブロックチェーンの不動産登記、日本でも協会設立へ
はじめに
ブロックチェーン技術は、近年不動産業界においても注目されています。ツバイスペース・ジャパンは、この技術を活用して不動産登記のプロセスを効率化し、日本においても新たな協会を設立する計画を発表しました。本記事では、この取り組みとその背景について詳しく解説します。
ブロックチェーンと不動産登記の関係
ブロックチェーン技術は、情報を改ざんすることなく安全に記録することができる分散型のデータベース技術です。この技術を不動産登記に利用することで、従来の登記システムよりも低コストで運用が可能となり、透明性と信頼性が向上します。日本では、ツバイスペースが2017年から不動産ブロックチェーンの運用を開始し、既に10万件を超える物件情報が記録されています。
アメリカにおける動向
アメリカでは、ボストンコンサルティングの予測によると、2020年代には資産のトークン化が16兆ドル規模に達すると見込まれています。米国の金融サービス委員会では、公開型ブロックチェーンの有用性について活発な議論が行われています。これに対し、日本では市場の可能性に対する理解がまだ進んでいない部分がありますが、ツバイスペースはプライベートチェーンとパブリックチェーンの両方を運用し、この問題に対応しています。
日本における協会設立の意義
ツバイスペース・ジャパンは、日本デジタル法務協会を設立し、不動産業界におけるブロックチェーン技術の活用を推進する計画を発表しました。この協会には、大手司法書士法人の代表や元官僚、元閣僚などが理事や顧問として参加し、法律面や技術面でのサポートを行います。登記システムの改良により、不動産所有権の管理や売買における透明性が向上し、詐欺などのリスクを低減することが期待されています。
具体的な事例
株式会社マキシマムの代表取締役、関川大助氏は、「不動産業界の最先端技術に参加できることを光栄に思う」と述べています。従来の登記費用の1/5に抑えられるため、コスト削減のメリットも大きいです。
今後の展望
ツバイスペースは、AI技術との連携を深め、さらなる技術革新を目指しています。ツバイチェーンのプライベートチェーンとパブリックチェーンを併用し、各種のAIデジタルツインプロジェクトとも連携しています。
新たなプロジェクト
ツバイスペースは、不動産ブロックチェーンに登記された情報を管理する「レジスターナイト」のシステムを運用し、不動産サイドのデジタルツインや建築付帯設備(IOT)を担当しています。クリニックビルのデジタルツインも開始され、各方面での認知が進んでいます。
まとめ
ブロックチェーン技術は、不動産登記においてもその有用性が認められつつあり、日本でもその導入が進んでいます。ツバイスペース・ジャパンの取り組みは、不動産業界における新たな標準を確立する可能性があり、今後の発展が期待されます。これにより、透明性と信頼性が向上し、コスト削減も実現されるでしょう。