2024.08.11

ロシアがビットコイン・暗号通貨のマイニングを合法化

MVW

ロシアがビットコイン・暗号通貨のマイニングを合法化

ロシアのマイニング合法化の背景と影響

ロシアは、ビットコインを含む暗号通貨のマイニングを国内で合法化し、新たに認められたマイニング産業に対する規制監督を確立する法律をプーチン大統領が承認しました。この法律は、2024年11月から施行される予定であり、承認されたマイニング企業は、国のデータベースに登録することで暗号通貨のマイニングを行うことが可能になります。一方で、小規模な個人マイナーは、エネルギー消費が特定の閾値を超えない限り、公式に登録せずともデジタル通貨をマイニングすることが許可されます。

マイニング産業の監督は、ロシア中央銀行、財務省、そして政府内の一部の閣僚が共同で行うことが決定されており、今後数ヶ月でより詳細な規制要件が策定される予定です。さらに、この法案はロシア国内での暗号通貨の大規模な広告を禁止する措置も含んでいます。

BRICSとドル依存の低減

ロシアは、米国の制裁により国際間決済メッセージングシステムSWIFTから排除された後、他の国際貿易決済方法を模索しています。BRICS（ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ）という新興経済国のグループは、国際貿易における米ドル依存を低減するための取り組みを強化しています。

BRICSは、2019年の第11回BRICSサミットで、代替デジタル通貨のアイデアを初めて提案しましたが、この提案には加盟国間での統一通貨の運用方法に関する意見の相違など、多くの障害が存在しています。2023年には、ロシアが統一BRICS通貨の開発に再度焦点を当てており、ロシア国会副議長のアレクサンダー・ババコフ氏は、主要なBRICS加盟国が新しい国際貿易決済通貨の開発に取り組んでいると述べました。

これに続いて、ロシア中央銀行と政府は、デジタル資産を国境を超えた決済手段として使用するための特別な機関を設立する計画を発表しました。

BRICS通貨に対する批判

マクロ経済学者のリン・アルデンは、BRICS通貨が米ドルを凌駕することに疑問を呈しています。彼女は、金に裏付けられた通貨が発行される際に、実際に保有している金の供給量に対して過剰に紙幣や証書を発行するという古くからの問題に触れ、このような通貨は最終的に通貨の劣化や崩壊につながる可能性があると指摘しています。

まとめ

ロシアのビットコインおよび暗号通貨マイニングの合法化は、同国の経済および国際貿易戦略における重要な一歩です。特に、BRICS諸国と共に米ドル依存を低減するための取り組みの一環として位置付けられています。この新しい法律の施行により、ロシア国内のマイニング産業は規制の下での成長が期待される一方で、国際的な反応や影響も注目されます。

また、BRICSによる統一通貨の開発は米ドルに対する挑戦と見なされていますが、通貨の信頼性や運用面での課題が残っています。今後、ロシアとBRICS諸国がどのような形でこの通貨の導入を進めるかが注目されるでしょう。