2024.07.14

温泉施設デジタルアーカイブプロジェクトの概要

MVW

温泉施設デジタルアーカイブプロジェクトの概要

概要

デジタルカレッジKAGAは、ドローンと生成AIを活用して温泉施設のデジタルアーカイブを迅速かつ高精度に作成するサービスを提供開始しました。このサービスは、汎用機材のみを使用し、現場で簡単に実施できる点が特徴です。初のモデルケースとして、加賀温泉郷山代古総湯を対象とした「古総湯プロジェクト」が実施されました。このプロジェクトでは、ドローンの自動航行とスマートフォンを利用した外部構造データの収集を行い、生成AIを用いてデータの欠損を補完しました。

技術的手法とプロセス

デジタルアーカイブ作成のプロセスは以下の通りです。

上空からの撮影: 汎用ドローンを使用して施設全体の上空からの撮影を行います。
内部構造の撮影: 施設内の詳細なデータ収集のために、ドローンやスマートフォンを使用します。
生成AIによる補完: スマートフォンで撮影したデータを生成AIで解析し、欠損部分を補完します。
全天球カメラによる撮影: 内部の全体像を捉えるために、全天球カメラを用いた撮影を行います。
衛星データの活用: 必要に応じて衛星データやPlateauと組み合わせて、より精緻なデータを作成します。
温泉効能の可視化: 温泉の効能や施設の利用状況をデジタルデータとして可視化します。

このプロセスにより、施設全体の三次元モデルを迅速に作成し、メタバースなどへの導入も容易にしています。

古総湯プロジェクトの詳細

山代古総湯の概要

山代古総湯は、建築家内藤廣氏によってデザインされ、2010年に竣工した木造2階建ての共同浴場です。この施設は明治時代の雰囲気を再現しており、グッドデザイン賞を受賞しています。北陸地方では、町の中心に設置された共同浴場を「総湯」と呼び、この山代古総湯は北陸の温泉のシンボルとして広く知られています。

プロジェクトの進行状況

プロジェクトは、山代古総湯を対象にした点群データの取得から始まりました。ドローンを使用した自動航行撮影と、スマートフォンを用いた外部構造データの収集を行い、生成AIを活用してデータの欠損を補完しました。この方法により、高精度な三次元モデルが迅速に作成されました。施設の内部についても、全天球カメラやスマートフォンを活用してウォークスルーやフォトグラメトリを実施しました。

今後の展望と活用

デジタルカレッジKAGAは、最先端技術を駆使してインフラ構造物や歴史的建築物のデジタルアーカイブ化を進めています。これにより、持続可能なインフラの構築を目指しています。デジタルアーカイブは、施設の維持管理やデザインに役立つだけでなく、将来的にはメタバースなどへの導入も視野に入れています。

さらに、2024年7月27日から28日にかけて開催される「ドローンエンジニア会議2024 in KAGA」では、今回のプロジェクトに関する詳細な報告が行われる予定です。この会議は、技術者や関係者が集まり、最新の技術や成果を共有する場となります。

まとめ

今回の「古総湯プロジェクト」は、ドローンと生成AIを活用して温泉施設のデジタルアーカイブを高精度に作成する革新的な取り組みです。汎用機材のみを使用し、現場で迅速に実施できる点が大きな特徴です。この技術により、温泉施設の魅力をデジタルデータとして保存し、将来的な活用が期待されています。デジタルカレッジKAGAは、インフラ構造物や歴史的建築物のデジタルアーカイブ化を進めることで、持続可能な社会の実現に貢献しています。