2024.05.12

NTTドコモが新会社「NTTドコモ・グローバル」を設立し、Web3および通信技術をグローバルに展開

MVW

NTTドコモが展開するWeb3戦略と新会社「NTTドコモ・グローバル」の設立

NTTドコモが、最先端のWeb3技術と通信インフラ技術のグローバル展開を目指し、新会社「NTTドコモ・グローバル」の設立を発表しました。この動きは、世界市場における日本の技術力を示すとともに、デジタル変革を推進するドコモの戦略的な取り組みの一環です。本記事では、この新会社の設立背景と戦略、そしてWeb3におけるドコモの役割について詳しく解説します。

Web3技術への大規模な投資

NTTドコモは、2022年11月にWeb3関連技術への6,000億円規模の投資を発表しました。この投資は、日本発のパブリックブロックチェーン「Astar Network」との協力のもと、ブロックチェーン技術の開発と社会実装を加速することを目的としています。具体的には、ブロックチェーン基盤の開発、デジタルウォレットの提供、さらにはNFTの流通促進などが含まれます。これらの技術は、個人や企業が安全かつ容易に利用できるようにするためのものであり、新しい形のデジタル経済社会の構築を目指しています。

新会社「NTTドコモ・グローバル」の戦略的役割

「NTTドコモ・グローバル」は、Web3とAI技術を活用したデジタル＆データPF事業のグローバル展開を主な目的としています。また、Open RANやNTN（Non-Terrestrial Networks）など、先進的な通信インフラ技術の標準化と拡張もこの新会社の重要な任務です。これにより、ドコモは世界各国での通信サービス提供の柔軟性と効率性を高め、国際市場での競争力を強化します。

Web3の社会実装とデジタルウォレット「scramberry WALLET」

NTTドコモの子会社であるNTT Digitalは、Web3の社会実装を推進しています。2023年3月にはデジタルウォレット「scramberry WALLET」を提供開始し、ブロックチェーン技術を日常生活に密接に結びつけることを目指しています。このウォレットは、アスター・アバランチ・イーサリアム・ポリゴンに対応し、利用者に新しい決済体験を提供します。

Open RANとNTN（Non-Terrestrial Networks）

Open RAN（Open Radio Access Network）とNTN（Non-Terrestrial Networks）は、通信インフラの分野で最先端の技術革新を代表する概念です。これらの技術は、より柔軟でコスト効率の良い通信ネットワークの構築を目指しています。

Open RANの概要と目的

Open RANは、無線アクセスネットワーク（RAN）の構成要素を標準化し、異なるベンダーの機器が互換性を持って動作することを可能にします。従来のRANは、特定のベンダーの機器で完結しており、他のベンダーの製品と組み合わせて使用することが難しい場合がありました。しかし、Open RANのアプローチにより、通信事業者は様々なサプライヤーから最適な機器を選択して組み合わせることができ、これによりコスト削減、技術革新の促進、そしてより迅速なサービス展開が可能となります。

NTN（Non-Terrestrial Networks）の説明

NTNは、地上の通信網だけでなく、宇宙（衛星）、航空（無人航空機など）、その他の非地上要素を利用して通信網を構築する技術です。これにより、従来の地上基盤のインフラではカバーできない地域や、災害時の通信の確保、リモートエリアでの接続性向上が期待されています。NTNは、地球のどこにいても安定した通信サービスを提供することを目指し、特に遠隔地や発展途上国での利用が有望視されています。

標準化と拡張の重要性

これらの技術の標準化と拡張は、グローバルな互換性とともに、イノベーションの促進を意味します。標準化により、異なるベンダーや技術間での連携がスムーズに行えるようになり、結果として消費者にはより多様で高品質なサービスが提供されるようになります。また、技術の拡張は新たな市場の開拓や、未来の通信技術への移行を促進します。

このように、Open RANやNTNは通信インフラの未来を形作る重要な要素であり、それらの推進は通信業界において革新的な変化をもたらす可能性を秘めています。

Open RANは、無線アクセスネットワークの仕様をオープン化し、多様なベンダーの機器が相互接続できるようにすることで、通信インフラの建設と運用の柔軟性を大きく向上させます。ドコモはこの技術を用いて、海外の事業者向けにサービスを提供しており、新会社設立によってその取り組みをさらに強化します。

グローバル市場への展開と今後の展望

新会社「NTTドコモ・グローバル」は、日本国内外でのビジネス展開を通じて、ドコモの国際的なブランド力を高めるとともに、テクノロジーのリーダーシップを確立することを目指しています。Web3やOpen RANといった先進技術のグローバル展開により、ドコモは世界各地で新しい市場を開拓し、国際競争において一層の影響力を持つことが期待されています。