2024.06.15

ヨーロッパのCitiVerseプロジェクトをリードするタンペレ

MVW

ヨーロッパのCitiVerseプロジェクトをリードするタンペレ

CitiVerseプロジェクトの概要

タンペレは、フィンランド南西部に位置する主要な都市で、教育、産業、文化の中心地として知られています。この都市は、革新的なテクノロジーとスマートシティ開発で国際的に評価されています。そんなタンペレ市が、都市向けメタバース「CitiVerse」の構築において、ヨーロッパの都市ネットワークをリードしています。このプロジェクトには、タンペレに加え、ロッテルダム（オランダ）、フランダース地域（ベルギー）、イスタンブール（トルコ）が参加しています。x-CITEプロジェクトは、ヨーロッパの主要なスマートシティ、研究機関、企業を結集し、スマートで持続可能な都市の変革を目指しています。

x-CITEプロジェクトの詳細

プロジェクトの背景と目的

x-CITEプロジェクトは、総予算650万ユーロで、EUのデジタルヨーロッパプログラムの一環として承認されました。このプロジェクトは、ヨーロッパの都市メタバース、CitiVerseの運営環境とロードマップを定義し、具体的なソリューションを開発、試行、促進することを目的としています。CitiVerseは、ヨーロッパの都市の競争力を高め、住民の生活の質を向上させ、責任あるデジタル都市開発の標準を設定することを目指しています。

Imagine the Metaverse

2024年6月12日に開催された「Imagine the Metaverse」イベントで、x-CITEプロジェクトの進展が発表されました。このイベントには、タンペレ、ロッテルダム、フランダース地域、イスタンブールの代表者が参加しました。イベントでは、CitiVerseプロジェクトの意義や目標が詳しく説明され、各都市のパートナーシップの強さが強調されました。

ヨーロッパ全域のCitiVerseモデル

x-CITEプロジェクトの中心的な目標は、ヨーロッパ全域での都市メタバース、CitiVerseの開発を促進することです。このイニシアチブは、XR技術を通じた市民参加を支援し、都市計画への新たな参加機会、文化体験、観光の機会を提供します。タンペレ市の教育サービス計画マネージャーであるヤーコ・ラウリラ氏は、「CitiVerseは、市民の生活を向上させることを目的としています。新しい技術ソリューションと運用モデルは、意思決定への参加、コミュニティ主導の都市開発、文化享受への扉を開くことができます」と述べています。

スマートシティ開発の先駆者たちの協力

x-CITEプロジェクトは、スマートシティ開発の先駆者たちを結集しています。これにより、ヨーロッパは持続可能で統合された都市変革のリーダーとしての地位を確立することができます。デジタルフランダースのEU顧問であるマルティーヌ・デラノイ氏は、「CitiVerseは、過去の受賞歴のあるプロジェクトに基づく次の進化です。市民中心の新技術の導入により、ヨーロッパは持続可能で効率的な都市変革の道を切り開くことができます」と述べています。

タンペレのCitiVerseパイロット

タンペレのCitiVerseパイロットプロジェクトは、タンペレの西部市街地とノキアアリーナのデジタルツインを利用しています。デジタルツインとは、現実の場所や物を正確に再現したデジタルモデルのことです。このデジタルツインを使って、以下のような体験を開発しています。

没入型のデジタルアート：仮想空間内で芸術作品を鑑賞できるようにする。
イベント体験：仮想現実を使って、コンサートやスポーツイベントを楽しめるようにする。

このプロジェクトは、現在資金協定の交渉段階にあり、夏の間に完了する予定です。その後、秋にプロジェクトが正式に開始され、2年半にわたって実施される予定です。

まとめ

タンペレ市がリードするx-CITEプロジェクトは、ヨーロッパの都市メタバース、CitiVerseの構築において重要な役割を果たしています。このプロジェクトは、市民参加の新たな形を提供し、持続可能な都市開発を促進し、文化体験と観光の新しい可能性を切り開きます。ヨーロッパ全域のパートナーシップと協力を通じて、CitiVerseは、デジタル技術を活用した人間中心のスマートシティの未来を形作るための重要なツールとなるでしょう。