2024.11.18

海士町、共創特化型DAO「Amanowa DAO」発足で地方創生を加速

MVW

海士町、共創特化型DAO「Amanowa DAO」発足で地方創生を加速

Amanowa DAOの目的と背景

海士町は、隠岐島の自治体として「人材還流」および「関係人口経営」による地方創生を推進しています。今回、地域住民と地域外の支援者が協働できるAmanowa DAOを発足しました。このDAOは、主に海士町オフィシャルアンバサダー（関係人口）や大人の島留学生（滞在人口）を中心とした組織であり、ブロックチェーン技術を活用して地域貢献度を可視化することで、貢献に応じた特典や意思決定への影響力を提供する仕組みを整備しています。

このプロジェクトは、経済産業省が進める「Web3.0・ブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業」の一環であり、広島Web3協会と連携して行われています。この取り組みにより、海士町と地域外の支援者との繋がりを深化させ、デジタル技術を活用した新たな地域経営モデルの構築を目指しています。

海士町の地方創生戦略と取り組み

過去20年間、海士町は「隠岐島前高校教育魅力化プロジェクト」を通じて地域振興に注力してきました。また、隠岐牛や岩ガキ春香、サザエカレーなどの特産品開発を行い、地元産業の活性化にも力を入れてきました。さらに近年では、若者を対象とした「大人の島留学制度」や「海士町オフィシャルアンバサダー制度」を創設し、地域外の人々が地域に関わり、当事者として活動する仕組みを整えています。

この一環としてのAmanowa DAOは、デジタル住民を募り、ブロックチェーン上で活動や貢献度を可視化することにより、地域の発展を共に推進する新しい仕組みを提供しています。DAO参加者はAMAコインを獲得することができ、これを利用して様々な特典を受けたり、地域への提案を行うことが可能です。

Amanowa DAOの仕組みと参加型の価値創造

Amanowa DAOに参加するメンバーは、海士町の関係人口や滞在人口として地域活動に関わり、貢献度に応じてDAO内の影響力を得ることができます。参加者はクエストを通じてAMAコインを獲得し、レベルアップに伴う特典を享受する仕組みが整えられています。また、基金を創設し、貢献度の高いメンバーが基金の用途を決定することが可能です。このように、DAO内での意志決定や資金調達が可能な仕組みが、地域経営に対する主体的な関わりを促進しています。

今後の展望とDAOの運用体制

2024年11月から2025年3月末までを実証期間とし、一般財団法人島前ふるさと魅力化財団がDAOの運営を支援します。2025年4月以降には、より多くのオーナーシップを持つメンバーの参加を促進し、自律分散型の組織運営を本格化する予定です。これにより、海士町オフィシャルアンバサダー制度や大人の島留学制度との連携を強化し、持続可能な地域経営モデルの確立を目指しています。

まとめ

Amanowa DAOは、海士町が新たなデジタル時代における地方創生のモデルケースとして展開するプロジェクトです。地域内外の人々が協働し、ブロックチェーンを活用して貢献を可視化し、地域経営に関わる意義深い取り組みとして注目されています。このDAOによって、従来の行政主体型から一歩進んだ「地域参加型」の地方創生が実現し、海士町の持続可能な発展が加速することが期待されます。