2024.02.08

Web3.0とブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業

MVW

Web3.0とブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業

Web3.0とブロックチェーンの基礎知識

Web3.0とは、インターネットの次世代を指す用語で、より分散型でユーザー主導のオンライン空間を意味します。この新しいインターネットの形態は、中央集権的な管理者や仲介者なしに、直接的なユーザー間のやり取りを可能にするブロックチェーン技術に基づいています。

ブロックチェーンは、改ざんが困難なデータの連鎖を作り出す技術であり、仮想通貨のようなデジタル資産の管理だけでなく、さまざまな業界での応用が期待されています。この技術により、データの透明性、セキュリティ、信頼性が大幅に向上します。

デジタル公共財の構築とその意義

日本政府は、「Web3.0とブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業」を通じて、これらの技術の社会実装を加速しています。この事業は、デジタル公共財の構築を支援し、将来的な実用化に向けたガイドライン作成やデータ標準の策定、データ連携基盤の構築を目的としています。

この取り組みにより、Society 5.0への移行が促進され、経済発展と社会的課題の解決が同時に進むことが期待されます。Society 5.0は、サイバー空間とフィジカル空間が融合した社会であり、人間中心の持続可能な発展を目指します。

Society 5.0とは

Society 5.0″（ソサエティ5.0）は、日本政府が提唱した未来社会のビジョンであり、産業革命の進化段階を示す概念です。このビジョンは、日本の政策立案者や研究者によって提唱され、日本社会の将来を指し示すものとして注目されています。以下に、Society 5.0の要点を説明します。

インダストリーの進化: Society 5.0は、産業革命を5つの段階で表現するコンセプトの一部で、第1次産業革命から第4次産業革命（Industry 4.0）までの進化を表現しています。それに続く第5次の進化段階として位置付けられています。
人間中心の社会: Society 5.0は、人間の利益と幸福を中心に据えた社会を目指しています。これは、技術の発展が社会全体に対して有益な影響をもたらすことを重視しています。
デジタル技術と融合: このビジョンでは、デジタル技術（IoT、AI、ブロックチェーンなど）が社会のあらゆる側面に統合され、情報の収集、分析、共有が効率的に行われる社会を構築することが強調されています。
新たな価値の創造: Society 5.0は、データを活用して新たな価値を創造し、社会問題の解決に貢献することを目指しています。たとえば、高齢化社会においては、健康管理や介護支援の向上が挙げられます。
持続可能性と環境への配慮: 環境に対する配慮が強調され、Society 5.0は持続可能な社会の実現を追求します。エネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの活用がその一部です。
産業の変革: 産業やビジネスモデルも大きく変革され、新たな産業が生まれ、労働環境も変化すると予測されています。
教育とスキルの重要性: 新しい技術やスキルの習得がますます重要となり、教育システムも変革される必要があります。

令和5年度「Web3.0・ブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業」に係る委託先の公募について

事業の目的（概要）

Society5.0 の実現や、社会及び産業課題の解決等に資する Web3.0・ブロックチェーンの社会実装を加速するためのデジタル公共財等の構築に関する実証を支援し、かつ、成果物として、横展開等を促すためのガイドラインの作成、データ標準策定、データ連携基盤構築等

事業内容

Web3.0・ブロックチェーンを活用したデジタル公共財等の構築
アドバイザリーボード・スペシャルアドバイザーの支援及びワークショップの運営
事業報告書の作成

応募資格

①日本に拠点を有していること。
②本事業を的確に遂行する組織、人員等を有していること。
③本事業を円滑に遂行するために必要な経営基盤を有し、かつ、資金等について十分な管
理能力を有していること。
④予算決算及び会計令第７０条及び第７１条の規定に該当しないものであること。
⑤経済産業省からの補助金交付等停止措置又は指名停止措置が講じられている者ではな
いこと。
⑥過去３年以内に情報管理の不備を理由に経済産業省との契約を解除されている者では
ないこと。

募集期間

募集開始日：令和６年２月２日（金）
締切日：令和６年２月２６日（月）１２時必着

審査基準

①応募資格を満たしているか。
②提案内容が、１．本事業の目的に合致しているか。
③事業の実施方法、実施スケジュールが現実的か。
④事業の実施方法等について、本事業の成果を高めるための効果的な工夫が見られる
か。
⑤本事業の関連分野に関する知見を有しているか。
⑥本事業を円滑に遂行するために、事業規模等に適した実施体制をとっているか。
⑦コストパフォーマンスが優れているか。また、必要となる経費・費目を過不足無く
考慮し、適正な積算が行われているか。
⑧ワーク・ライフ・バランス等推進企業であるか
⑨適切な情報管理体制が確保されているか。また、情報取扱者以外の者が、情報
に接することがないか。
⑩事業全体の企画及び立案並びに根幹に関わる執行管理部分について、再委託（委託
業務の一部を第三者に委託することをいい、請負その他委託の形式を問わない。以
下同じ。）を行っていないか。
⑪事業費総額に対する再委託費の割合が５０％を超えないか。超える場合は、相当な
理由があるか（「再委託費率が５０％を超える理由書」を作成し提出すること）。

まとめ

Web3.0とブロックチェーン技術は、デジタル社会の未来を形作る重要な要素です。これらの技術を活用したデジタル公共財の構築は、日本がSociety 5.0の実現に向けて重要な一歩を踏み出すことを意味します。政府の支援により、企業は新たなビジネスモデルを探求し、社会的課題の解決に貢献できるようになります。

この技術の普及と発展には、より多くの人々がこれらの概念を理解し、参加することが不可欠です。分かりやすい情報提供と教育により、全ての人がデジタル社会の構築者となることを願っています。

参照元：令和5年度「Web3.0・ブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業」に係る委託先の公募について